私が病院に勤務していたときに院長先生がよく

Save your complex！

といっていました。ここでの”complex”は「偏見」「先入観」を意味します。

これは、入ってきた情報に対して、良い悪い、好き嫌いなどの感情を抑制することです。

一見、かっこいい言葉ですが、実践するのはなかなか難しいです。入ってきた情報に対して自分の経験や価値観で識別されます。

特に目先だけで判断してしまいます。タイムセールでついつい買い物をしてしまうこと。その時の情報をただ単に自分だけの損得勘定や短絡的な視点でみてしまいます。

塾選びも同じで「無料キャンペーン」とか「割引キャンペーン」とかで「得した！」と思って選択するのは危険なのです。「タイムセール」なら少しのお金を損するだけで済みますが、塾選びで生徒さんの人生が左右されることもあります。例えば開邦志望者が付加問題を扱えない塾に行き、途中で塾の都合で他校に志望変更を余儀なくされたりすることもあります。はじめから憧れていた高校を塾の都合で変更させられるのは一生の悔いになります。また、開邦志望の生徒さんに国立高専の受験を勧める塾があるそうです。これも実態が見えにくい付加問題を扱うよりも全国共通で傾向もでやすい高専の受験のほうが塾としては簡単なので実績になるからです。これは生徒さんん人生を考えるとリスクが高いのですのです。高専は５年生で短大卒扱いです。入学時から大学レベルの専門的な勉強が要求されます。そこに中学を出たばかりでその分野に興味がない生徒さんを進学させるのは危険です。当塾では高専志望は少ないですが、志望相談があった時点で高専卒業生講師による面談と学校見学をさせて本当に行きたいのか？専門分野に耐えうるのかを本人とご父兄に判断してもらっています。

塾選びは長期的視点が必要です。目先だけで決めてしまうと後々不利益になって返ってきたりしてしまいます。そして、大事な本質を見失うことになります。それが生徒さんの人生を左右することさえありえます。

いろいろな情報に対して、何かを判断するとき、自分の生きてきた経験値や価値観だけを頼りにして判断するのは危険であるということを常に心しておきべきかと思います。