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さちえ先生を思う

私が東京でいろいろとまなんで医師がいた。さちえ先生である。患者さんのために粉骨砕身。親のように接し、母のように愛を注いだ。

 すでになくなられて10年近くになる。

 私が東京を離れる前、女医のさちえ先生は呼吸器疾患で酸素吸入をしながら診察に当たっていた。体調がすぐれずに途中で帰ることもよくあった。私が神学校に入学する前、先生はとても元気で「低排気ガスの車を買ったので運転しなさい」と免許がないさちえ先生は私を呼んで運転をさせてくれた。お台場、ベイブリッジ、都内一周の運転をさせてもらった。信州の別荘が近かったため夏期バカンスで合流しようという話になって台風がきて失敗したこともあった。妻と知り合って喧嘩ばかりしていたときに中に入ってくれて良く叱られた。こんな感じで公私ともによくしてくれた。

 患者さんに「普段はうまいものを食っていないだろう」といってホテルのディナーに患者さんを連れ出して振舞ったり、患者さんの話をとことんきく精神科医であり、金儲けを一切考えずに地域で精神科の患者さんを支えていく先生だった。

 そもそも小児科医だったのだが、精神科に転向して、精神鑑定医(今で言う精神保健指定医)を取り、警察などにも貢献していた。人望が厚く、犯罪を犯してしまって精神症状が悪化した患者さんとも差別偏見なしに向き合っていた。時には調子の悪い患者さんに「お前はおばけ顔だ。だから結婚できなかったんだ!」と毒づかれても「そうね」といって相手を刺激せずに自分も怒らなかった。時には患者さんに理解をしない家族からの楯になって攻撃されることもよくあった。患者さんにも時には厳しかったが、愛を持って接していた。

 こういったほんとうに精神科医としても鏡のようなさちえ先生だった。最期まで酸素吸入をして患者さんと向き合っていたのだろう。

 こういった医師が1人でも増えて欲しい。だから今ここで医系論文の授業や医学部志望の中学生を前にして、さちえ先生のような素敵な先生の話をしていきたい。その逸話に感激してさちえ先生のような医師を増やしていきたい。さちえ先生の冥福を祈りつつ誓う。

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